クリムトが描いた「ベートーヴェン・フリーズ」を鑑賞!ウィーンの憧れ「分離派会館」を現地ルポ【オーストリア】
ひと目で圧倒されるパワーの塊「セセッシオン(分離派会館)」
生まれて初めて、セセッシオンを車の中から見た時の衝撃は今でも忘れられません。真っ白なスクエアの建物の天辺に、黄金の葉っぱ模様の球体! 「おおお~っ!! あれ、何???」
ウィーン市内のクラシックな建物が続く中、いきなり現れたこの摩訶不思議な建物は、圧倒的なパワーを放っていました。そして、その存在感に目が離せなくなりました。それが憧れの「セセッシオン(分離派会館)」であったと分かった時の感激はひとしおでした。
正面には“聖なる春”を意味する「ベアル・サクルムVer Sacrvm」。「その時代にはその時代のアートを! 芸術には自由を!」の文字が刻まれています。
セセッシオン(ウィーン分離派)とは何か?
まずはクリムトが生きた19世紀末の大切なキーワード「分離派」の簡単な説明から。パリで新しい芸術運動アールヌーヴォーが流行すると、ウィーンでは個性的な芸術家クリムト、エゴン・シーレ、コロマン・モーザー、オットー・ワーグナーなど多くの天才が活躍し、ウィーン世紀末芸術が花開きます。
現代絵画を模索するクリムトは、保守的な帝室アカデミー(美術協会)から除名となり、1897年、新しい芸術団体セセッシオン(分離派)を仲間と結成します。※写真は分離派会館の裏側に描かれたコロマン・モーザーの壁画
その活動の拠点となったのが、セセ
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