『あの頃エッフェル塔の下で』のこと。陰鬱でロマンチックな「わたしのパリ」を甦らせる映画

ヨーロッパの食
再見したかった『あの頃エッフェル塔の下で』。いつの間にか、Prime Video(プライムビデオ)に来てた。「どんなストーリー?」と聞かれても、あまり明確に答えられないし、「雰囲気映画(星二つ)」のコメントを目撃しても、「まぁ、そうねぇ〜〜」と苦笑いしてしまう。ともあれ、わたしにとっては、印象深い作品。全編に漂う気だるい雰囲気、すべての色にグレーを混ぜたような色調。寒々とした夜明けのシーンを眺めていると、「わたしの中のパリ」がよみがえってくる。空気はいつでも灰色で、石畳には、なんだかいつも水が溜まってて、下手すると、すえた匂いがする。朝7時を過ぎても、日は昇らない。視界は悪いし、歩きタバコの灰は容赦なく飛んでくる。それでも、やっぱり、セーヌにかかる橋からの眺めは、震えるほどロマンチックで、「パリに居る」という現実そのものに、クラクラきてしまう。あの感覚を、想起させる映画はいくつかあって、それは逆に、『パリの恋人』のような色鮮やかなものではなくて(好きだけど)、全体的に陰鬱で、ストーリー展開も、捉えどころがないタイプのもの。セドリック・クラピッシュの最高傑作(←個人の主観)『PARIS』だとか、カルチェラタンを舞台にした小作『静かな二人』だとか。朝に夕に、右岸に左岸に、セーヌを横断した、あの日々、光景を思い出すと、胸がぎゅーーーっと切なくなる。数年後にはきっとまた行けるから、その時ま

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