古代にもいた「商社マン」の営業力―古代ギリシアと商売人

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酒神ディオニュソスを抱えるヘルメス像(筆者撮影/オリンピア考古学博物館)
古代ギリシャにおける感染病との闘いを描き、読者の皆さまをはじめ幅広い方々から反響をいただいた連載『歴史から読み解く人類VS病原体の死闘-古代ギリシアと医療・病気』の執筆者・遠藤昂志がご期待に応えて再び現代と古代ギリシャをつなぐ連載を発表!
『古代ギリシアと国際貿易』と題した全3回の新シリーズ、第2回は「古代にもいた「商社マン」の営業力―古代ギリシアと商売人」と題して、海外に目を向け、国際貿易に活路を見出した古代の「商社マン」の活躍に焦点をあてて解説します。
第1回「古代にもあったサプライチェーン―古代ギリシアと水平分業」はこちらから!
日本を代表する百貨店・三越の店先には、羽の付いた帽子を被り、これまた羽の付いた杖を持った青年の裸像が立っていることが多いように思われます。その像はギリシア神話の神「ヘルメス」であり、彼は神々の世界においては伝令の役目を担うと信じられていました。では、なぜ神々の伝令の像を、三越はモニュメントとして採用したのでしょうか?それは、ヘルメスは商業の神でもあったからです。神話では、ヘルメスは自ら発明した竪琴を交換に出すことで、代わりに牛を入手しています。非常に原始的な取引ですが、これも歴とした商取引です。神々が「必要物資の交換」という概念を創造したことで、人類に商業や貿易の道が拓かれた

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