17年前のパリの一人旅「とりあえずここで頑張ろう」
空港からパリへ
不安というよりも、新しい世界が見れることに期待を膨らませて、降り立ったフランス。飛行機を降りた後特有の浮遊した感覚に襲われながら空港からタクシーに乗り、パリに向かいました。本当にフランスにいるのだろうか? 自分がどこにいるのかよくわからないまま、パリのどんよりとした曇り空に包まれた景色をぼんやりと眺めていました。
しかし、パリ市内に入り、セーヌ川の橋を渡ると、郊外とは比べ物にならないぐらい美しい街、映画で見た世界が目の前に広がっていました。これがパリなのか……。今私はパリにいる! という現実をじわじわ実感します。
そうしているうちに、タクシーでカルチェラタンのホテルに辿り着きました。当時、学生の留学ということで、トイレ・シャワー共同の安ホテルに宿を取っていました。パリを訪れたことがある友人にも、「よくそんな安いホテル見つけたね」と言われたほど、一泊5000円もしない安ホテル。小さい窓が備え付けられているだけで、部屋は薄暗く、ベットと小さなテーブルだけがある、本当にただ寝るだけの部屋。その夜は、宿に辿り着けたという安堵感と時差ボケの疲れからか、心地よい布団に包まれて、ぐっすりと眠りに落ちた感覚を不思議と今も覚えています。
美しいパリ
翌朝、外に出
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