感染爆発の末に何が起こるのか?-古代ギリシアと感染症

ヨーロッパ旅行
闇夜に浮かび上がるアクロポリスとパルテノン神殿(筆者撮影/アテネ)
遠藤昂志の連載『歴史から読み解く人類VS病原体の死闘-古代ギリシアと医療・病気』スタート!
第1回は「感染爆発の末に何が起こるのか?-古代ギリシアと感染症」と題して、古代ギリシャを混乱に陥れた感染症の故事をひもとき、現代の私たちを見つめます。
2020年4月7日、安倍首相は緊急事態宣言を発令し、新型コロナウィルスの猛威に対抗するべく、外出自粛等の徹底を日本国民に要請しました。このところ私も在宅ワークで活動し、”STAY HOME”を自分なりに守っています。遠く離れたギリシアでは、日本よりも遥かに厳格な外出制限が敷かれ、ミツォタキス首相は独立記念日の演説動画で”Μένουμε σπίτι”(ギリシア語で”STAY HOME”)と呼びかけていました。
◆病原体は人類の宿敵
人類と病原体との戦いは、人類が家畜を飼育するようになってから始まりました。天然痘、結核、インフルエンザ等、歴史に名を残す強力な疫病の多くは家畜から発生したものです。今回の新型コロナウィルスも、WHOは発生源を動物としており、動物と人間の接触が、危険なウィルスを生み出すことを示唆しています。(研究所流出説もありますが…)人類が動物を本格的に飼育し始めたのは約1万1500年前とされていますから、気が遠くなるほどの悠久の昔から、病原体は絶えず人類を脅かし

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