Le Salon du Panthéon (ル サロン デュ パンテオン)のオレンジ色の灯り

ヨーロッパの食
パリで必ずすることの一つ、「カフェで読書」。東京でもできる、けど微妙に違う。ノエルの気配が残る1月。リュクサンブール公園近く、夕方5時でもかなり薄暗い通りの小さな映画館。入口にも売店にも誰もいなくて、目印もない中、ドキドキ階段を上る。重い扉をあけると、雰囲気も温度も暖かい、オレンジの灯りが優しい空間。髪を高い位置でラフにまとめたのマダムの親しみやすい笑顔。(もっとソリッドな雰囲気のスタッフを想像していたから、一気にホッとした)埋もれるようなソファーとローテーブル。一人に割り当てられる空間の広さも東京のカフェではあまりないんじゃないかな。頼んだ紅茶はお決まりのティーバッグで、味も薄かったけど、ポットやカップの可愛さに許してしまう。ヨーロッパのカフェの例に漏れず、照明は控えめで、ツリーに飾られたキラキラを頼りに本を読む。3時間弱過ごしただろうか。周囲を見渡すと、ほとんど人が入れ替わっていない。早口で話し続ける熟年男女、互いの膝に乗らんばかりのウキウキカップル、辞書を積んで勉強中の青年。その時読んでいたのは、堀江敏幸の『おぱらばん』。堀江氏の文章の中でも、フランスにまつわる物語が特に好き(まぁ、フランス自体が好きだから)。あの日に読んでいた文庫は、あの場所の空気や匂い、思い出をひたひたに染み込ませて帰って来た。ーーーー<Le Salon du Panthéon(ル サロン デュ パンテオ

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