ソポクレスのギリシア悲劇を再構築した対話劇『テーバイ』新国立劇場で上演
2021年6月から2022年2月まで1年間をかけて、参加者が話し合いや試演を重ねて作品理解を深めながら、より豊かな作品づくりをおこなっていく「こつこつプロジェクト」から、船岩祐太が構成、上演台本、演出を進めた『テーバイ』が、2024年11月7日(木)から24日(日)まで東京・新国立劇場で上演されている。
ソポクレスによる、知らずのうちに近親相姦と父親の殺害に手を染めたテーバイの王オイディプスの物語『オイディプス王』、テーバイを追放され放浪の途にあるオイディプスの神々との和解とその生の終幕を描いた『コロノスのオイディプス』、そしてオイディプスの娘であるアンティゴネが兄弟の埋葬をめぐり、テーバイの王・クレオンと激しく対立する『アンティゴネ』の独立したギリシア悲劇の3作品を一つの戯曲として再構築した今までにない画期的なこのギリシア悲劇では、古典と現代社会との接点を見つめ続け、単なるギリシア悲劇三作品のダイジェストではなく、オイディプスやアンティゴネに加えて、三作に共通して登場するクレオンにフォーカスすることで「国家と個人」を巡る人間ドラマへと進化。三作それぞれの作中では、一介の脇役に過ぎなかったクレオンが、なぜ王座に座り、国を亡ぼすことになったのか…。法と平和を理想に掲げる統治者が、恐怖と防衛心にさいなまれるさまが描きだされる。
[ 令和6年度(第79回)文化庁芸術祭主催
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